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やがて君になる 6話感想 それがお前の幸せか

どうも、僕です

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やがて君になるという作品をご存知ですか? 今期やっているアニメの一つなんですが、こちらの作品はまあ、一言でいうと百合作品です。恋とは何かわからずに悩んでいた小糸侑と誰からの告白にも心を動かされなかった完璧超人生徒会長の七海燈子。小糸は七海に対し自分に共感してくれるのではないかと期待するがそんな小糸に七海はこう告げる。

 

「私、君のこと好きになりそう」

 

二人の関係はどうなっていくのか。小糸侑は恋を知ることができるのか。そもそも七海燈子はなぜ告白したのかなどなど、いろんなことがだんだんと分かっていくような物語です。心理描写や演出がとても繊細。

 

原作未読で今期は面白いアニメも多いため時間がなくしっかり観れていないため、少々違っているかもしれませんがまあだいたいこんな感じの作品だと思います。というか未視聴勢は早く見て。ついでにゾンビと電光超人も見て。ちなみにやが君の愛称で親しまれています

 

さて、そんなやが君ですが、最近第6話が公開されました。

この6話、大変な衝撃を受けました。最後の最後に思わず感嘆の声を漏らしたといいますか…うわああと思わず言ってしまいました。ということで6話後半の二人の掛け合いを振り返りつつ感想を書いてみようと思ったわけです

 

さてそんな6話のタイトルは

 

「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」

 

でした。タイトルからしてこう、この回はなんかありそうだなと予感させるわけですが、実際すごくなんかあったわけです。

 なんというか、この作品はただの百合作品じゃないぞ! というのを見せつけられた回でした。

七海は侑のことが好きです。でも超えて欲しくない一線は彼女にもある。侑は今回その境界を見誤ってしまいます。

 

「そのままの先輩を受け入れてくれる人は先輩が思うよりいっぱいいるんじゃないかな?」

 

「そんなこと…死んでも言われたくない」

 

「正直 私の言うことなら耳を貸してくれるって思ってた…先輩は私から離れられないって…」

 

心の中で侑は後悔を表します。ここの心理描写もすごく素敵です。物理的な距離とともに心の距離も離れていきます。侑は焦ります。

 

「先輩と一緒にいられないなら私に誰が好きになれるの?」

「嫌だ!」

 

1話から見ていると最初は明らかに七海→侑という一方通行の好意であり、侑は好きがわからない気持ちを共有できると思っていた七海に対してはむしろ落胆していたような節すらありました。しかし、この台詞からわかるように、七海は侑にとって「特別な存在」になってきているのではないかと思われます。

 

「本当は寂しいくせに!」

 

「弱い自分も完璧な自分も肯定されたくないくせに誰かと一緒にいたいんだ?」

 

「だから私なんでしょ?」

 

「七海先輩 私はどっちの先輩のことも好きにならない。これまでもこれからも」

 

先輩のこと好きにならないよ

 

「本当はどうして欲しいのか言ってください 七海先輩」

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侑、さすが主人公。ここでこれを言ってしまえる彼女はなんと強い人なんでしょうか。侑は七海と一緒にいたい。好きになるかもしれないから。あるいはもう好きだから? しかし、七海が侑と一緒にいたいのは侑が七海のことを好きにならないから。うーん、かなり歪んだ関係になってきていますよね。サブタイトルの言葉を閉じ込めては侑のことです。この侑の機転によって二人は再び歩み寄ります。

 

「侑好きだよ」

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と笑顔で語りかける七海

 

「はぁ…ありがとうございます」

 

あくまでも塩対応をする侑

 

「君はそのままでいてね」

 

七海の言葉にはいと答える侑。しかしその胸中は当然違います。

 

「私は変わりたい」

 

「なのに嘘をついたのは…きっと私も寂しいからだ」

 

この侑のモノローグからEDが流れ始めます。これがまたEDがいつもいいなあと思ってたんですが今回特別バージョンなんですよ。思わず舌を巻きました。スタッフはどこまでも優秀だ…。この6話Bパートまでを見終わってからこの曲を聴くとより一層鳥肌が立ちます。

 

hectopascal

hectopascal

  • 小糸 侑(CV:高田憂希)、七海燈子(CV:寿 美菜子)
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes                             

 

 

と、散々やられまくったところでCパートに突入。さきほどのシーンのリフレインです。今度はなんと七海視点。彼女のモノローグが入ります。

 

「好きって暴力的な言葉だ」

 

「好きは束縛する言葉」

 

「だから好きを持たない君が世界で一番優しく見えた」

 

「侑は実際とても優しい人だった」

 

「私をどこまでも受け入れてただ傍にいてくれる」

 

「この心地よさを知ってしまったらもう二度と1人には戻れない」

 

そして先ほどBパートでもあったやり取りが行われます。

 

「侑好きだよ」


「はぁ…ありがとうございます」

 

(これは束縛する言葉)


『君はそのままでいてね』

 

(どうか侑…)

 

(私を好きにならないで)

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ここまで七海のモノローグが流れて最後のサブタイトルが表示されます

 

「言葉で閉じ込めて」

 

ここの演出は非常に憎い。というか七海がとても人間らしくていい。好きという言葉は暴力的であると分かっていながらその言葉を自身を受け入れてくれる侑に対して笑顔で語りかけるわけです。そのうえで侑に対しては私を好きにならないでと願うわけですから、いやはや…。

 

変わりたい侑と変わらないでほしい七海。このあまりに歪んでいて不安定な関係は一体どこへ向かっていくのか。侑が変わったとき、七海は侑のことを好きではなくなってしまうのか。もしくは受け入れることができるのか。そもそも七海は束縛し続けることに罪悪感を感じたりとか、侑はいつまでもそれを受け入れることはできるのでしょうか。

 

というか今回の話の見どころって個人的には侑が自身の自惚れに気づくシーンだと思うんですよね。心の中で侑は七海のことをちょろい先輩と思っていたわけですが今回それが覆された。これはきっと侑にとっても衝撃的なことだったとは思うんですが我々視聴者にとってもまさかあの返しが来るとは予想していませんでした。今回は七海に関して過去が明かされたりとかなり深く掘り下げてくれた回だったなあと思います。

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その二人の行く末は予想がつきません。さらには今回触れませんでしたが彼女たちを取り巻く様々な環境もあります。それらの人々は今後物語にどう関わっていくのか。

 果たしてこの歪んだ依存関係を続けることは二人の幸せになるのでしょうか。

 

 もう気になって仕方がありません僕は。原作コミックス買おうかな…。